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       今までの記憶のかけらの残像です。    小さすぎる私の心のシャッターですが、、、。

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2012年7月17日 (火)

首相官邸の屋根に、、

Bandocanap

「そうです。官邸の屋根の上に宇宙人は降り立っています。」

「それは今、目視で確認しております。」

一緒にのぞいてる関係者の一人がパソコンを覗きこんでそう言い放った。

かなり、でかめのどら猫2匹分。それが何匹か、さっきから歩き廻っている。

今まさに灯りを消した我が家のマンションからその光景はハッキリと確認できている。

僕は息苦しくなって何度も双眼鏡から目を離した。

ベランダにしつらえた椅子をもう一度座りなおした。

手元に置いてあったペットボトルのお茶を一気に飲み干した。

恐怖にかられてもうやめようと思ったけれど興味は時間とともに増した。

ちょうど覗きこんで焦点が合わさった時に僕は度肝を抜かれた。

官邸の施設の関係者と思われる人間が彼らの足元に食い物らしきものを

放り投げてるのが見えた。

彼らの一部がそれを取り巻いて気色ばんで我を忘れたような凄まじい形相で

それに食らいついてるのが目に飛び込んだからだった。

時間を遡って説明するとだ、、

その数日前に我が家の隣の民家の屋根に舞い降りてきた彼らは例のごとく私を火星に

連れて行こうとしていた。

何時もなら黙って私を宇宙船に乗せて、ものの数分で火星に連れて行くはずだった。

だが、その日はちがった。問題があったようだった。急に言葉を使ってみせた。

そういえば、彼らが言葉を使うのは初めて聞いたのだった。

それまではなんとなくヤマカンで記入した答案の答えが正解だったみたいな曖昧な感じで

伝わるテレパシーの範囲でコミニュケーションをしていただけだった。

しかし、その日はハッキリと聞き取れる流暢な言葉を口にして言い放った。

少しだけ口臭が酷かったけれども、きちんと聞き取れた素晴らしい日本語だった。

「腹が減っては戦はできぬ。」

いや、戦。はなしだ。

「腹が減った。」そういった。

僕は彼らが何を食べるのか知らなかったから食べ物を与えることは出来なかった。

と言うよりも面倒くさかった。

僕は用意できない。

そう伝えた。

困った挙句に考えて彼らに渡したのは首相官邸の場所を書いた紙切れ1枚だった。

今の政局が馬鹿げてやりきれなかったから嫌がらせをしてみた。

そこなら君らになんかくれるだろうから行ってみなさい。

そう伝えたのだった。

初日のコンタクト、つまり僕が渡した次の晩は場所だけ確認したそうだ。

次の晩は食べ物が欲しいから、何でもいいので下さいと不法侵入して官邸の警備陣を

驚かせた。で、関係各位とやり取りを親密にしたのだそうだ。

その次の日は首相と面会したそうだ。でも、その時には腹が減りすぎていてめちゃくちゃ

頭にきていたので嫌がらせで放屁を何千回もお見舞いしたそうだ。

その匂いの凄さにその日まで幹事長をしていたS氏は老齢もあってのことだけれども、

心臓麻痺をおこして亡くなってしまった。

翌朝のテレビのニュースでは急性の心不全が原因と報道された。

それは悲劇の始まりに過ぎなかった。

事態を重く受け止めた民酒党は総理官邸の屋根の上で彼らに食事をしてもらうことに決

めたのだった。なんで人目につく屋根なのだろうか。

なんにも変わっていない。

「やっと食えるよ。」

彼らのリーダーは几帳面な口調で教えてくれた。

彼はエルビス・プレスリーのファンらしいい。つけ毛で頬にヒゲをひっつけていた。

それを知ったのは火星の彼の住居におじゃました時だった。

そこにはおびただしい数の彼のレコードが棚いっぱいに収蔵されていた。

もういいからと僕が断っても、彼は何時も自慢げに披露してくれたのだった。

「何を食べたかったの?」と僕は聞いた。

「宮崎の地頭鶏だよ。」と彼はその時に言った。

その瞬間、彼の仲間は悲しくなるような弱々しいまるでカエルの手で拍手をしたようなざわ

めきをしばしくれたのだった。

なんで、地頭鶏かな、、そう思った瞬間に聞こえたのが恐ろしい声音だった。

「しらねえのか、超有名だ!うめぇんだよ!」

へっ。と思った。

一緒に食べないかと誘われたが断っての今晩だった。

ちょうど彼らがその宴に興じてる時に官邸の正面玄関に車が数台滑りこんできた。

噂の諜報機関ではなかった。車は黒塗りでもなく、極普通の白のミニバンだった。

上野動物園。

車体の横にそう書かれていた。

そうか。そういう魂胆だったか。もう遅いか。彼らに謝るしかないようだった。

それから間もなく官邸の屋根で地頭鶏を貪る彼らの姿が静かに崩れて屋根のシルエット

にどら猫2匹分の大きさの塊を数個作って闇に溶けた。

調度タイミングよくパンダの顔を背中にデザインしたつなぎ服の男たち数人が、

車から降りて外にでて腕まくりをしたところだった。

Bbba_127

数秒、そう、突然何かの拍子で頭がクラっと揺れ動いたのを感じた。

しびれを誘ったのは何かの薬品のようなものだろうか。激臭。

気絶した時に彼らが放屁した匂いだろうか、屋根の上で絶叫して倒れこむ黒い影を

双眼鏡越しに確認できた。

人影がバタバタと倒れ込んでいる!

哀れと思うまもなく!それは風に乗って、官邸からも相当離れているこのマンションまで

激臭は飛来して流れてきていたのだった。

急激に目が痛くなって呼吸も出来ないくらい息苦しくなった。

激痛で開けれないほどの苦しさの中で、瞬いた目を我慢して開ける、とまさにその瞬間に

暗闇に浮き上がる官邸の屋根の上に巨大な宇宙船が音もなく滑りこんで来たところだっ

た。

僕は片目でしか開けれない状態で双眼鏡を覗きこんだ瞬間に粟肌が出来たのを感じた。

8の字に揺れながらループを描いて浮遊する蛍光発光体の姿に目を奪われたのだった。

何故なら、その巨大な宇宙船の船体には大きな文字で『田中土木』と書かれているのが

わかったからだ。

その瞬間、同時に駐車場のライトが一斉に保護色で塗装された巨大な車体に注ぎ込ま

れたのを確認した。そこにはパトリオットミサイルが配備されていたのだった。

サイレンと同時にフラッシュライトが点滅して英語での警告があたりに鳴り響いた。

「ねえ、あなた?そこで何をしているの?」

「あっ!お前っ!いつの間に、、」

つづく。

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